Katsuto Arai
新井 克人
デジタルフォースシェルパ
マネージャー
何事もとことん
極める それが
楽しさへの第一歩
2016年1月にシグマクシスに入社した新井は、大学卒業後に新卒入社した外資系IT企業で、メインフレーム(大型汎用機)のエンジニアとして15年を過ごした。すでにその領域のベテランであるにも関わらず、大企業から飛び出したのは「自らお客様と会話をしたうえで、役立つシステムを作りたい」という想いから。現在はテクノロジーコンサルタントとして、国内外のお客様プロジェクトに奔走するほか、講演や寄稿などの情報発信にも取り組んでいる。目下の活動テーマは、世界の注目を集めるGoogle Cloud PlatformやIBM Watsonといった最新テクノロジーを顧客企業の価値創造にどう活用するか。自他ともに認める「コンピューターオタク」が時代の最先端を歩きながら、何を考えどんな仕事をしているのか、話を聞いた。
01
なぜコンサルティング企業で
エンジニアが
活躍できるのでしょうか
お客様がテクノロジーに強い人財を求めているというのが、まず一つの大きな理由です。多くのメディアが日々報じるとおり、今はデジタル大変革の時代。世の中に生み出される新しいデジタルテクノロジーを、企業はいち早く取り込んで、新しい競争力を生み出そうと走り始めています。しかしその一方で、「何をどのように活用したら良いのか」と面食らう企業も多く、導入方法、コストも現実味のあるデジタル戦略を策定するパートナーを必要とされているのです。
特にエンジニア出身のコンサルタントには、コンピューターやテクノロジーの基礎知識がありますので、テクノロジーによって実現できること、できないことを即座に分解し判断することが可能です。プロジェクトの確実性を高めながら加速できるわけです。また、技術的な話を机上でしてもイメージが湧きにくいようであれば、簡単なデモンストレーションツールを自らプログラムすることもできる。先日もAIの活用を検討中のお客様向けに、3種類のAIとLINEを連携させたチャットボットを作ってみたところ、AIの能力レベルやその活用シーンをご理解いただくのに役立ちました。その点では、15年の間に蓄積してきた技術解析やプログラミングの経験を生かせていますね。「まずは作ってみて、少しずつチューニングする」という、シグマクシスのトライ&エラー型アプローチが、自分の仕事の進め方と相性が良かったことも、エンジニアからコンサルタントへの転身がスムーズにできた理由の一つだと思います。
02
前職との違いは
どんなところでしょうか
お客様との関わり方や距離感が全く違いますね。エンジニア時代は、通常お客様の前に立つことはめったになく、あるとしても大抵がトラブル対応時。まず謝るところから始まります。しかしシグマクシスでは、お客様のお悩みを伺うことからスタートするので、戸惑いながらも「お客様はご立腹なのではなくて、困っていらっしゃるのだ」という発見がありました(笑)。当然、私自身のお客様に対する姿勢も変化し、視野も広がってきたと感じています。
一緒に働く仲間も、本当にいろいろな人がいて飽きません。これまであまり関わることの無かった「生粋のコンサルタント」は、視点や発想が自分とは全くちがい、驚くことが多いです。特に、物事を論理的に整理しフレームワークに落とし込んで行くスキルは、すごいなと感じています。一方で、テクノロジー系のコンサルタントは自分と同じくオタク系の集まりですが、そのジャンルが幅広い。数式が大好きな人、やたらと設計図に落としたがる人、ものすごい量の論文を読破している人など、さまざまです。でも共通するのは、気になることはどこまでも深堀りして極めるという姿勢。お客様に納得いただける提案をするために、まず自分がどこまで突き詰めて行けるかという価値観でつながり、良いチームワークができていると思います。
03
成長のために
実践して来たことは
どんな事ですか
若い頃は仕事を選ばず、何でも精一杯取り組むことだけは、誰にも負けなかったと思います。小学生のころからコンピューターに馴染みがあり、もともと好きな領域ではあったのですが、仕事となると好き嫌いの世界ではありませんでした。とにかく与えられた仕事を、きっちり仕上げて返す。叱咤されることも多々ありましたよ。でもそれを繰返しているうちに打たれ強くなり、120%の完成度で返せるようになりました。自分の軸だと言えるまで何かを極めてからが、本当の仕事だと思っています。
新しいものを面白がることも、成長に欠かせないことだと思います。テクノロジーの世界では特に、知識の更新スピードが求められるため、世の中の変化への感度を高めているよう常に意識しています。さらにコンサルタントは、お客様業界の動向や変化へのアンテナも必要です。Z世代と言われる若手や学生の皆さんは、情報収集能力に長けていますから、集めた情報を活用して自分ならではの仕事を創って行く面白さを知れば、間違いなく成長できるのではないかと思います。
04
学生の皆さんへのメッセージ
この先、コンピューターの知識は不可欠な時代ですから、抵抗感を持つ前に基礎知識として学んでおくことをお奨めします。本を読むだけでなく、まずは触ってみる。どんな簡単なものでも構わないので、プログラムで何かを作ってみるのが早いと思います。何事も、まずはやってみること。経験の一つひとつが自らの特性、強みを作って行く一歩です。社会には多様な人財があふれていますが、その一人ひとりが、ほぼ何もない状態からスタートし、今いる場所に立っているのです。
Profile
マネージャー
千葉大学文学部を卒業後、外資系IT企業に新卒入社。大型汎用機オペレーションシステムの障害解析・修正作成を中心に、15年にわたりエンジニアとしての経験を積む。2016年1月にシグマクシスに入社。以来、新たなるフィールドで、コンピューター・アーキテクチャーやプログラミングに精通する能力を発揮しながら、自らの活動領域を急速に拡大中。休日は家事と子育てに追われつつも、ハードウェアのプログラミングなどを趣味で勉強している。
(2016年1月取材/2021年4月 ディレクターに昇格)