Takumi Koizumi
小泉 拓己
ストラテジー&システムシェルパ
コンサルタント

5年後は経営者
早稲田大学在学中に、機械学習と深層学習(ディープラーニング)、ベイジアンネットワークをテーマとした研究に没頭した小泉拓己。その傍ら、友人とベンチャーを立ち上げ、当時からデジタルとビジネスを関連付けて世の中をにらんでいた。デジタル化が進む市場で引く手あまたのスキルを学生時代から身に着けていた小泉だが、ファーストキャリアを築く場をシグマクシスに決めるのに、時間はかけなかったという。そして入社後わずか1年半で、新卒研修、配属、現場デビュー、昇進と、一気に駆け抜けた。密度濃く過ごした時間を振り返りながら、あらためてシグマクシスの魅力とは何かを聞く。
01
大学では研究&起業に没頭
高校時代、理系志望かつ経営者になりたかった小泉。大学ではビジネスを俯瞰的に見る訓練のひとつとして、機械学習とディープラーニングをテーマとして選んだ。卒論は「潜在クラスを考慮したベイジアンネットワークによる株価予測手法の提案」。その研究を深めることは考えなかったのかという問に対して、答えは明快だ。
「研究はもちろんですが、ビジネスがしたかったのです。」
というのも、研究の傍らベンチャービジネスの立ち上げにもチャレンジ。クラウド上で管理できる時間割アプリを開発し、学生向けにサービス提供した。
「大学による学生ベンチャー支援制度を利用して立ち上げました。学生の行動パターンをデータとして把握することで、別のビジネスへの活用を考えるのも楽しかったです。現在はサービスを終了しましたが、多くの学生に利用してもらえましたね。アプリ開発をしたくて始めたことでしたが、アプリを活用したサービスで人の役に立ち、リターンを得るという一連の体験を通じて、ビジネスへの興味がさらに膨らみました」。
ベンチャーの共同経営者たちは、文系の学生が多いマーケティング研究会の仲間。理系キャンパスから一歩踏み出して築いた、文系キャンパスでの新しい人脈だった。それは、いつしか研究会の外にも広がり、今もなお続いている。
02
楽しすぎた面接で即決断

小泉が本格的に就職活動を始めたのは、大学3年の12月。周囲に比べて遅めのスタートだったが、スキルを手にしていた分焦りは少なかった。コンサルティングファームやデータプラットフォーマーを中心に数社を回り、最終的にシグマクシスを選んだ理由は、面接の楽しさだという。
「面接官は、すごく尖った人で驚きました。自分があれだけ時間をかけた研究の話にも、鋭い突っ込みが入る。その短い時間の中で学んだ視点・発想がいくつもあり、終えたときにはもう『この会社で働きたい』と思っていました」。
入社後の新卒研修は、宮崎での合宿からスタート。初めの2週間はコンサルタントの基本動作を学んだ。日中は座学が中心、夜は課題に取り組むという日々だ。インプットしたことを、その日のうちにアウトプットに換えるというスピード感も、体に染み込ませていく。決して容易ではなかったが、日々自分の成長を実感した時間は、自分にとって大きな財産になったという。
「学びはもちろんですが、同期と固い絆で結ばれた時間でもありましたね。加えて研修中は、多くの先輩達からトレーニングを受けます。これまた個性豊かな先輩だらけですので、日々大きな刺激をもらえましたし、世代を超えたネットワーク作りにも繋がりました」。
03
1年目で味わった「ご指名の喜び」

集合研修が終わると、いよいよお客様プロジェクト現場でのOJTだ。ストラテジー&システム シェルパに配属された小泉が、最初に参画したのはIT関連企業の事業戦略策定プロジェクトだった。
「お客様は事業戦略立案に向けた徹底的なデータ分析を必要とされていました。そこで、私が売上データ等の分析ツールをゼロから作成。自分の力が試される場面ですから、期待以上のアウトプットを目指しました。その結果、お客様にご満足いただき、現在でもそのツールを使い続けて下さっているそうです。その後もお客様から延長契約のご指名を頂け、私なりの貢献ができたのではないかと思います」。
常に120%のアウトプットを目指す小泉の姿勢は社内外で高く評価され、入社1年余りで昇格。そして毎年新卒から一名選ばれるアワード、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー2015」を獲得することに。受賞の知らせは、「鬼軍曹」の異名を持つKディレクターから届いた。小泉が所属するストラテジープランニング&マーケティングチームのリーダーであり、現在参画するプロジェクトのリーダーだ。
「Kさんは、妥協を許さない厳しい人。フィードバックを受ける度に自分の足りなさに直面しています。でも、その時ばかりは厳しい言葉は一切なく、自分のことのように喜んでくれました。思えば、私を推薦してくれたのもKさん。私にとって『追いかけるべき大きな存在』から評価を頂けたのは光栄でした」
Kディレクター以外にも、ロールモデルとなる先輩が何人もいるという小泉。それぞれ光るものは違うため、より多くの人財と関わりを持てるよう意識し行動する。先人の技を目で見て取り込むことも、成長を加速させる手段の一つなのだ。
04
美味しいコーヒーでスイッチ・オン

リラックスするのは、毎朝美味しいコーヒーを淹れる時間。
「受験生のとき、眠くならないためにコーヒーを飲み始めたのがきっかけです。どうせ飲むなら美味しいコーヒーがいいなと思い、いろいろ試しているうちにネルドリップにハマりました。毎朝早めに起きて、ゆっくりコーヒーを淹れる時間って豊かですよね。そして、味わい終わったら頭を仕事モードに切り替える。一日のスイッチを入れる、大事な時間でもあるんです」。
そんな小泉にとっての夢は、高校時代からブレることなく「経営者」だ。5年後には事業を立ち上げ、軌道にのせたら第二の人生をスタートさせたいと、瞳を輝かせながら将来を語る。
「まずはビジネスの知見を深め、コンサルティングのスキルを磨き、データやテクノロジーを活用したビジネスデザインのプロフェッショナルを目指します。と言っても、念願かなって事業を立ち上げる際に、シグマクシスを出て行くとは限りませんよ。社内ベンチャーとして立ち上げる方法もありますから」。
自らのものさしを持ち、まっすぐに進む小泉。5年後にどんなプロフェッショナルに成長しているのか、期待が高まる。
05
学生の皆さんへのメッセージ

シグマクシスでは「試行錯誤して、多少の失敗はあっても修正しながらとにかく前に進む」という、プロトタイピング型のアプローチを重視していますが、それは人生でも同じことが言えると思います。私もこれまで幾つかの挫折や失敗をして来ましたが、そこから方向転換を図ったことで、多くの学びがあり、出会いにも恵まれました。失敗を恐れることなく、チャレンジすることが大事です。そして失敗した時に、どれだけのエネルギーとスピードで軌道修正がかけられるかが、その後の人生を決める。私は自分の人生を完成する途上に、そういった価値観を重ね合わせられるシグマクシスがあったことを、とても幸せなことだと思っています。みなさんが企業を選ぶ際にも、「価値観に共感できるか」に、是非ポイントを置いてみて欲しいと思います。
Profile
コンサルタント
早稲田大学創造理工学部経営システム工学科卒。2015年4月に新卒入社し、IT業界よび通信業界のお客様向けのプロジェクトに参画。大学時代に身に付けた、デジタルテクノロジーの知見とセンスに加え、粘り強さと向上心で高いパフォーマンスを発揮。2015年度のルーキー・オブ・ザ・イヤーを見事に勝ち取った。経営者として事業を立ち上げる将来に向け、毎日頭をフル回転させている。
(2017年2月取材/2022年7月 プリンシパルに昇格)