日本企業では、長年の業務慣習による非効率な業務プロセスや、独自のシステムカスタマイズによる分散したIT環境が課題となっています。その解決策として、SaaSの標準機能に業務・システム・データを合わせる「Fit to Standard」アプローチが注目されています。しかし、長らく独自のシステムを使用してきた多くの日本企業にとって、ドラスティックな標準化は簡単なことではありません。そこでシグマクシスは、このFit to Standardに、変化に対応してスピーディーな価値提供を目指す「アジャイル開発」の考え方を適用したアプローチを推進します。「Fit to Standard×アジャイル」により、SaaS導入の成果をより迅速かつ確実に提供し、お客様の継続的なビジネス変革を支援します。
シグマクシスは2001年に米国で発表された「アジャイルソフトウェア開発宣言」が掲げる4つの価値観「プロセスやツールよりも個人と対話を」「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」「契約交渉よりも顧客との協調を」「計画に従うことよりも変化への対応を」をFit to Standardに適用することで、迅速かつ確実にSaaS導入の価値を提供します。
- イテレーティブ(くり返し的)アプローチの採用
SaaS導入フェーズの全般にわたり、一度で完璧を目指すのではなく、短いサイクルで業務を体験・確認する「螺旋状のプロセス」でプロジェクトを推進します 。これにより、お客様は変化への理解を徐々に深め、納得感を持ちながら着実に変革を推進します。
- 個人との対話を重視したチェンジマネジメントの実施
マネジメント層と現場担当者双方との対話を通じて変革への意識と行動を管理・促進します。対話を通じて、「想定と違う」といったトラブルを回避し、変革への理解と協力を促進、スムーズな定着を実現します。
- SaaSならではの既に動くソフトウェアである実機による業務検証
従来のシステム開発と異なり、SaaSは既に製品として動くシステムが用意されているため、プロジェクト初期から実機を実際に使用することができます。プロジェクト初期から実機を実際に使用することを重視します。これにより関係者間の認識のずれをなくし、スピーディーな意思決定と変革の実行を支援します。
- お客様が一人称として参画するイネーブルメント
お客様が「自分たちが変革をやり遂げる」という一人称の意識を持ち、変革に主体的に取り組むことを目指します。トレーニングなどの機会を積極的に提供することで、導入後のシステム活用と業務の定着化を確実に支援し、お客様自身が自律的に活躍できる環境を築きます。
- 導入期間に加え本番稼働後も変化に対応できる継続的変革を支援
柔軟な対応で本番稼働を目指し、クリティカルでない課題には本番稼働後の活用と並行して対応します。本番稼働後の活用フェーズにおいては、SaaSのバージョンアップに合わせた業務変革を、「保守」という概念ではなく「継続的な変革」として捉え、SaaSの進化に能動的に対応します。お客様のビジネス価値を最大化するパートナーシップを構築し、継続的な価値提供を実現します。
独SAP社のSaaS型ERP「SAP S/4HANA® Cloud Public Edition」導入プロジェクトでは、同社の導入方法論SAP Activateで定義された5つのフェーズ「Discover」「Prepare」「Explore」「Realize」「Deploy」全てにわたりイテレーティブ(反復的)なアプローチを採用します。これにより、お客様が変革への理解を徐々に深め、納得感を持ちながら着実に前進できるよう支援します。
- Discover(目的と領域の合意): プロジェクトの目的を明確にし、経営層のコミットメントを得て、業務変革の対象領域を特定します。
- Prepare(方向性の理解): プロジェクトのロードマップを定義し、チェンジ・マネジメントを開始します。この段階から実担当者にSaaSの標準機能を操作してもらい、これまでの業務をどう変えていかなければいけないかを理解いただきます。
- Explore(具体的施策の検討): SaaSの標準機能を実機で操作しながら、自社業務を適合させるための具体的な施策を検討します。業務変化点を洗い出し、実担当者が主体的に変革に取り組みます。
- Realize(試行と検証): より実業務に近い設定やデータを用いて、新しい業務プロセスを繰り返し検証し、最適化を進めます。
- Deploy(伝播と移行): 本番稼働に向けて業務・データ・システムを移行します。運用マニュアルや体制を整え、プロジェクトメンバーが中心となって変革を全社へと展開します。
本番稼働後の活用フェーズ「Run」は、一般的に「保守」と捉えられがちですが、シグマクシスは「継続的な変革」の期間と考え、100点での本番稼働を目指すのではなく、クリティカルでない課題については、稼働後の活用と並行して解決します 。また、定期的なSaaSのバージョンアップのタイミングで、追加された新機能の活用や業務の見直しを提案。ここでも実機を使った検証を行い、業務が陳腐化しないよう、お客様のSaaS活用の価値を高め続ける支援を行います 。
変革の実現に最も重要なのは、お客様ご自身が一人称で変革に向き合うことだと考え、シグマクシスでは、お客様が自ら業務変化点を発見できるよう実機に触れる体験の提供を重視します。「自分たちで決めて進める文化」が育つよう支援し、お客様のビジネス価値最大化に向けた継続的なパートナーシップを構築します。
- 商船三井グループ 仕組船会社 会計業務・システムの標準化:SAP S/4HANAⓇ Cloud Public Editionの導入
- 「SAP Award Excellence 2025」最優秀プロジェクト・アワード受賞
- クラウド型ERP導入によるデジタル基盤の構築支援 SOLIZE株式会社 様
- 「SAP Award Excellence 2022」プロジェクト・アワード受賞
- 基幹システムのクラウド化支援 NTTアドバンステクノロジ株式会社 様
- 「SAP Award Excellence 2020」プロジェクト・アワード受賞
ディレクター
外資系コンサルティングファームを経てシグマクシスに入社。製造・流通・運輸、商社等の幅広い業界に向けた、BPR、システム導入を中心としたコンサルティングを提供。SAPプロジェクトにおける構想策定から導入、運用、定着化まで、業務改革とシステム導入のライフサイクル全般でのプロジェクト・マネジメントを得意とする。S/4HANA Cloudプロジェクト責任者としての実績多数。
ディレクター
製造、海運、航空、商社、エンターテイメント等、多岐にわたる業界に向けての業務変革、システム導入、プロジェクト&プログラムマネジメントの経験を持つ。アジャイル開発の知見が深く、共著『誰も教えてくれなかったアジャイル開発(日経BP)』をもとに講演活動や企業研修にも取り組む。S/4 HANA Public Cloud導入時にもアジャイル開発の手法を適用し柔軟なプロジェクト・マネジメントによる高品質・短期間でのプロジェクト推進が評価され、SAP AWARD OF EXCELLENCE 「SAP マイスターIQ 2025」を受賞。
ディレクター
新卒で外資系コンサルティングファームに入社、2012年よりシグマクシスに参画。商社、金融、自動車、情報通信、不動産、運輸などの幅広い業界に対し、基幹業務改革およびシステム導入に関わるコンサルティング・サービスを提供売る。プロジェクト企画から稼働までの一貫したPMO支援を得意とする。
ディレクター
システム・インテグレーター、総合コンサルティングファームを経て、シグマクシスに入社。製造業を中心に、ERP・SCMシステム導入と、これにともなう業務改革コンサルティングの提供実績多数。SAP S/4HANA Cloudの導入においては、大規模ビッグバン・プロジェクトのリーディングを得意とする。
ディレクター
外資系コンサルティングファームを経て、2009年にシグマクシスに入社。総合商社、金融、運輸、食品、製薬、小売り等の幅広い業界に対する、経理財務を中心としたコンサルティングサービスを提供。生産性向上を目指した業務変革、法規制対応、システム導入などのプロジェクトを得意とする。
フェロー
外資系IT企業に新卒入社後、SAP導入プロジェクトにおいて会計領域のプロフェッショナルとして数多くのプロジェクトに参画。経験を積んだ後、2020年1月にシグマクシスに入社。企業の基幹業務・システムの標準化を目的としたSaaS活用プロジェクトに多数携わる。また、SAPプロダクトやソリューションの最新情報を発信する社外コミュニティ活動の推進にも取り組んでいる。