日本企業では、長年の業務慣習や独自のシステムカスタマイズが積み重なり、非効率な業務プロセスや分散したIT環境が課題となっています。特に、多くの企業で部門ごとに異なるシステムが導入され、業務プロセスが標準化されていないため、データの一貫性が欠如し、全社横断的な分析や迅速な意思決定が困難な状況にあります。また、基幹システムの老朽化やIT人財不足が深刻化し、既存システムの運用・保守コストが企業の負担となっています。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進が急務となる中、SaaS型ERPを活用した業務・システム・データの標準化が注目されています。なかでもSAPジャパンが提供する「SAP S/4HANA® Cloud Public Edition」は、業界ベストプラクティスに業務を標準化させる「Fit to Standard」アプローチにより部門や拠点ごとの独自運用を抑え、全社最適のシステムを実現することが可能です。これにより、データの統合が進み、AIを活用した高度なデータ分析が可能となり、経営判断のスピードも向上します。また、クラウド上で最新機能が年2回自動更新されるため、法規制対応や市場変化への適応が迅速かつ容易となり、運用・保守コストの削減にもつながります。
今後、日本企業の価値創造を加速するためには、既存の業務・システムの課題を抜本的に見直し、デジタル化による生産性向上を推進することが不可欠です。シグマクシスは、SaaS型ERPの導入による業務・システム・データの標準化こそが、日本企業の持続的成長の出発点になると考え、企業のトランスフォーメーションを支援しています。

従来のERP導入では、「Fit & Gap」アプローチが主流でした。この方法では、業務要件リストを作成し、ERP機能が対応可能か「〇△×」で評価します。対応が難しい「×」の箇所は、ERP側をカスタマイズするケースがほとんどでした。これは、業務の変更にはシステムユーザーの調整や代替プロセスの設計、社内決裁など多くの時間がかかるため、システムを業務に合わせる方が現実的だったからです。
一方、SaaS型ERP導入では「Fit to Standard」アプローチが採用され、徹底されています。このアプローチでは業務要件リストを作らず、ERPに組み込まれた標準業務プロセス(シナリオ)をもとに実機を使用しながら確認することで、その適合性を判断します。不適合プロセスがあれば課題として整理し、対応者・責任者・期限を明確にしたうえで、業務の改善や外部システムとのインターフェースなどの、代替策を検討します。
シグスマクシスでは、SAP S/4HANA Public Cloudの認定資格数は2025年1月末時点で約300と、業界トップクラスの専門性を誇ります。また、これまでに情報通信、デジタルエンジニアリング、海運、商社といった多様な業界の企業に対し、「Fit to Standard」アプローチを徹底した導入実績を持ちます。また、多様な業界の業務知見も発揮して、SAP S/4HANA® Cloud Public Edition導入の成功をリードします。
- 高度なプロジェクトマネジメントとチェンジマネジメント
SaaS型ERPは「Fit to Standard」アプローチを前提とするため、カスタマイズを最小限に抑え、標準機能に業務を適応させることが求められます。そのため、短期間での導入スケジュール管理、リスクマネジメント、リソースの最適配分を行う高度なプロジェクトマネジメントが必要です。従来のオンプレミスERPとは異なり、頻繁なアップデートや仕様変更にも柔軟に対応するため、アジャイルな管理手法が求められます。また、業務の標準化には現場の理解と協力が不可欠であり、チェンジマネジメントの視点からシステムユーザーの意識改革と適応支援が重要です。新しい業務プロセスの受け入れを促すため、トレーニングやワークショップ、段階的な導入とフィードバックなどの工夫が求められます。加えて、プロジェクトの意義を業務現場に浸透させ、標準化のメリットを具体的に示すことで、抵抗を最小限に抑えることが可能になります。
- 経営層の積極的な参画
SaaS型ERP導入は単なるシステム刷新ではなく、企業の業務変革を伴う取り組みです。経営層が重要な意思決定を迅速に行い、組織横断的な調整を主導することで、現場の混乱を防ぎ、プロジェクトの円滑な推進が可能となります。特に「Fit to Standard」のアプローチでは、従来の業務慣習を見直し標準プロセスに適応するための意思決定が求められるシーンが多くあります。これを現場の判断に委ねると、部分最適に陥り、結果としてカスタマイズが増加し、SaaS型ERPのメリットを十分に享受できなくなります。経営層がプロジェクトの目的を社内に明確に示し、全社レベルでの標準化を推進するリーダーシップを発揮することで、業務変革のスピードが向上します。また、SaaS型ERPの導入は単なるIT投資ではなく、企業の競争力向上に直結する戦略的取り組みであることを、社内に浸透させることも重要です。
- 商船三井グループ 仕組船会社 会計業務・システムの標準化:SAP S/4HANAⓇ Cloud Public Editionの導入
- 「SAP Award Excellence 2025」最優秀プロジェクト・アワード受賞
- クラウド型ERP導入によるデジタル基盤の構築支援 SOLIZE株式会社 様
- 「SAP Award Excellence 2022」プロジェクト・アワード受賞
- 基幹システムのクラウド化支援 NTTアドバンステクノロジ株式会社 様
- 「SAP Award Excellence 2020」プロジェクト・アワード受賞
SAP ジャパンが主催する年間表彰「SAP AWARD OF EXCELLENCE」は、SAPビジネスへの貢献度、ならびに顧客満足度などにおいて、極めて高く評価されたパートナー企業に贈られます。クラウドなどの主力SAPソリューション分野での取り組みや成果、ビジネスの実績、優れた導入プロジェクト、お客様への高い価値の提供、といった様々な観点からパートナー企業を評価し決定されるこのアワードで、シグマクシスはこれまで複数回表彰されています。特に2025年は、本アワードの最高峰とも言われる「Projedt of the Year(最優秀プロジェクト・アワード)」と、SAP 関連システムの導入プロジェクトで特に優れた成果やイノベータ―として新しい価値創出した個人に贈られる「SAP マイスターIQ 2025」のダブル受賞に輝きました。

ディレクター
外資系コンサルティングファームを経てシグマクシスに入社。製造・流通・運輸、商社等の幅広い業界に向けた、BPR、システム導入を中心としたコンサルティングを提供。SAPプロジェクトにおける構想策定から導入、運用、定着化まで、業務改革とシステム導入のライフサイクル全般でのプロジェクト・マネジメントを得意とする。S/4HANA Cloudプロジェクト責任者としての実績多数。

ディレクター
製造、海運、航空、商社、エンターテイメント等、多岐にわたる業界に向けての業務変革、システム導入、プロジェクト&プログラムマネジメントの経験を持つ。アジャイル開発の知見が深く、共著『誰も教えてくれなかったアジャイル開発(日経BP)』をもとに講演活動や企業研修にも取り組む。S/4 HANA Public Cloud導入時にもアジャイル開発の手法を適用し柔軟なプロジェクト・マネジメントによる高品質・短期間でのプロジェクト推進が評価され、SAP AWARD OF EXCELLENCE 「SAP マイスターIQ 2025」を受賞。

ディレクター
新卒で外資系コンサルティングファームに入社、2012年よりシグマクシスに参画。商社、金融、自動車、情報通信、不動産、運輸などの幅広い業界に対し、基幹業務改革およびシステム導入に関わるコンサルティング・サービスを提供売る。プロジェクト企画から稼働までの一貫したPMO支援を得意とする。

ディレクター
システム・インテグレーター、総合コンサルティングファームを経て、シグマクシスに入社。製造業を中心に、ERP・SCMシステム導入と、これにともなう業務改革コンサルティングの提供実績多数。SAP S/4HANA Cloudの導入においては、大規模ビッグバン・プロジェクトのリーディングを得意とする。

ディレクター
外資系コンサルティングファームを経て、2009年にシグマクシスに入社。総合商社、金融、運輸、食品、製薬、小売り等の幅広い業界に対する、経理財務を中心としたコンサルティングサービスを提供。生産性向上を目指した業務変革、法規制対応、システム導入などのプロジェクトを得意とする。

フェロー
外資系IT企業に新卒入社後、SAP導入プロジェクトにおいて会計領域のプロフェッショナルとして数多くのプロジェクトに参画。経験を積んだ後、2020年1月にシグマクシスに入社。企業の基幹業務・システムの標準化を目的としたSaaS活用プロジェクトに多数携わる。また、SAPプロダクトやソリューションの最新情報を発信する社外コミュニティ活動の推進にも取り組んでいる。