近年のSaaSの普及により、非競争領域の業務ではシステムのカスタマイズや独自開発は極力行わず、Fit to Standardによりコストを抑えた運営が主流となりつつあります。一方、競争領域では、マイクロサービスに代表されるモダンアーキテクチャーが普及し始めており、柔軟性、拡張性、効率性を高めたシステム構築による事業環境へのアジリティやレジリエンスを高める方向性へとシフトしつつあります。


こうした背景をふまえシグマクシスは、Fit to Standardやモダンアーキテクチャーに関するアンケート調査を実施し、企業における導入・検討状況や、導入の際の課題や対応策、組織に必要となる機能を明らかにしました。

調査の概要

目的

Fit to Standardやモダンアーキテクチャーに関する導入・検討状況や、導入にあたっての課題・対応策、組織に必要となる機能を明らかにする

対象

CIO、IT部門長、IT企画のご担当、経営企画のご担当

実施時期

2024年2月19日~2024年3月22日

アンケート手法

Webアンケートツールによるアンケート

設問内容

今後の主要アーキテクチャーであるFit to Standard/モダンアーキテクチャー*の導入によってIT部門に求められる機能がどのように変化するのか、その機能を果たすために社内のデジタル教育、IT R&Dについて具体的にどのように取組まれているかを把握するため、以下の設問に対して自由記述式にて回答いただきました。

*モダンアーキテクチャーとは、マイクロサービスやサーバレステクノロジー等を導入し変化に柔軟な対応を実現するシステム構成

Fit to Standardに関する設問

  • 導入状況を教えてください
  • 導入済・検討中の領域を教えてください
  • 導入済・検討中の理由を教えてください
  • 導入における課題を教えてください
  • IT部門で今後「強化すべき機能(新たな追加する機能も含む)」もしくは、
  • 縮退すべき機能(削減する機能も含む)があれば教えてください
     

モダンアーキテクチャーに関する設問

  • 導入状況を教えてください
  • 導入済・検討中の領域を教えてください
  • 導入済・検討中の理由を教えてください
  • 導入における課題を教えてください
  • IT部門で今後「強化すべき機能(新たな追加する機能も含む)」もしくは、縮退すべき機能(削減する機能も含む)があれば教えてください
     

その他(「デジタル教育」、「IT-R&D」)

  • 若手社員へのデジタル教育に関する取組みがあれば、教えてください
  • IT部門が主導となったテクノロジーの調査・研究(POCを含む)があれば、教えてください

調査結果のサマリ

アンケート調査結果の概略は、下記となります。

Fit to Standard

  • 64%の企業がFit to standardを導入済みもしくは検討中
  • 適用領域のトップ3は「会計・財務(61%)」「購買(50%)」「人事(39%)」「営業活動(39%)」
  • 導入理由は、「レガシーシステムからの脱却」がもっとも多く、次いで「ベストプラクティスによる業務変革」が多かった。
  • 導入課題は、「ステークホルダーとの合意形成」がもっとも多く、次いで「業務標準化の推進」が多かった。
  • 今後のIT部門が強化すべき機能は、「業務・製品に対する目利き機能」がもっとも多く、次いで「業務改革・改善機能」が多かった。
  • 今後のIT部門が縮退すべき機能は、「システム運用管理機能」が80%弱を占める。


モダンアーキテクチャー

  • 59%の企業がモダンアーキテクチャーを導入済みもしくは検討中
  • 適用領域のトップ3は「営業活動(44%)」「販売(44%)」「CS(38%)」「マーケ(38%)」
  • 導入理由は、「システムの柔軟性向上」がもっとも多く、次いで「サービスの品質向上」が多かった。
  • 導入課題は、「専門人材の不足」がもっとも多く、次いで「ITガバナンスの確立」が多かった。
  • 今後のIT部門が強化すべき機能は、「業務・製品に対する目利き機能」がもっとも多く、次いで「アーキテクチャー設計機能」が多かった。
  • 今後のIT部門が縮退すべき機能は、「システム運用管理機能」が50%強を占める。
     

その他

  • 若手社員へのデジタル教育に関する取組みは「社内外研修」がもっとも多く、次いで「eラーニング」が多かった。
  • IT部門が主導となったテクノロジーの調査・研究(PoCを含む)はAI/生成AIが60%強を占める。

シグマクシスの考えるクラウド時代のあるべきIT組織

アンケート結果を踏まえると、IT部門の役割は、いいシステムをつくることからクラウドを含むシステムを使って業務をどう変革するかへとシフトしていると言えます。
そのため、旧来のIT部門ミッション・取組み・推進体制を、「つくる」から「つかう」時代へのシフトに合わせてアップデートしていくことが求められています。

 

詳細版レポートに関するお問い合わせ

本アンケート調査について、回答企業の業界・規模や、回答結果の詳細がわかる詳細版のレポートを発行しております。ご関心がございましたら、以下のお問い合わせフォームより、請求したい資料について記載の上、お問い合わせください。

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