国際物流業界は、いま大きな転換期にあります。需要が拡大を続ける一方で、荷主やフォワーダーをはじめとする関連企業の多くが、いまだ紙書類や手作業に頼った業務を行っており、業務効率やスピードに課題が生じています。こうした状況を企業単独で解決するには限界があるため、業界全体が連携し価値を共創するための共通基盤への移行が求められています。

その鍵を握るのがWiseTech Global Ltd.(以下、WiseTech Global社)が提供する、国際物流業界特化型SaaS「CargoWise *」です。CargoWiseは、サプライチェーン全体の業務を一元的に支えるプラットフォームであり、業界横断的な連携を可能にします。

シグマクシスは、 WiseTech Global社のパートナー企業としてCargoWiseを活用した国際物流業界の共通基盤構築を支援します。単なるシステム導入にとどまらず、企業間連携の促進と業界全体の構造変革を見据えた戦略策定と実行、現場への定着までを一貫して伴走支援します。

*CargoWiseは、WiseTech Global Ltd.の商標であり、ライセンスに基づき使用しています。

深刻化する業界課題と共創による変革の必要性

国際物流業界は、経済的な重要性を持つ一方で、構造的な課題と急激に変化する外部環境に直面しています。
 

  • 業界に根差す構造的な課題
    国際物流の現場では、業務プロセスが企業や拠点ごとに分断され、多くの業務が紙書類や手作業に依存しています。平均して36種類の文書と、240部のコピーが輸送関係者間でやりとりされている*¹という試算もあり、また、書類の完全なデジタル化率は1%未満*²とも言われています。こうした状況が、業務の非効率を慢性的に引き起こしています。
    さらに、各企業が独自に構築したシステムは、他社や他機関との接続性が低く情報の分断を招いています。その結果、国際物流全体の状況をリアルタイムで把握することが難しく、業界全体の最適化を妨げる要因となっています。
     
  • 構造的な課題を深刻化させる外部環境の変化
    国際物流業界では、従来からの構造的な課題に加え、近年の外部環境の変化がその深刻さに拍車をかけています。労働力不足や地政学的なリスク、制度変更、規制強化などの要因が重なり、企業単独での対応には限界が生じており、業界全体に影響を及ぼしています。
    この状況を打破するには、業界全体で共通の業務プロセスと運用ルールを整備し、関係者が連携して価値を共創する仕組みへと転換することが不可欠です。業界共通基盤のもと、物流効率と生産性を本質的に高め、外部環境の変化にも柔軟に対応できる強靭で持続可能な輸送体制の構築が求められています。
     

出展:
*¹ WTO, ICC「Standards Toolkit for Cross-border Paperless Trade
*² 国土交通省 調査報告「国際港湾物流に関する民間事業者間で流れる情報の概要(実態調査の整理)について」 

業界全体の構造変革と価値共創を実現する「CargoWise」

CargoWiseは、フォワーダー、船社、航空会社、税関など、国際物流における多様なプレイヤーがリアルタイムに連携できる、国際物流業界の共通基盤です。

業務の効率化や標準化を実現するだけでなく、業界全体が共通の業務プロセス・データで繋がることで、業界全体の構造変革と価値共創を可能にします。CargoWiseはグローバルでは既に広く活用されており、業務の標準化と可視化によって、国際物流の最適化を加速させています。

CargoWiseの導入から定着までを支援する包括的なサービス

シグマクシスは、CargoWiseを企業単位の業務改善ツールにとどめることなく、企業の枠を超える業界共通基盤として活用し、国際物流業界全体の構造変革を支援します。共通基盤への移行には業務習慣や組織文化の変革を伴うため、高度なマネジメント力と現場の納得感が欠かせません。シグマクシスは、導入にあたっての業務変革の構想、計画、システム導入から定着まで一貫して伴走し、変革を支援します。
 

  1. 国際物流業界全体の構造変革を支えるチェンジマネジメント
    業界全体の変革においては、「個社最適から業界全体での価値創出へ」という意識変革が必要です。シグマクシスは、企業の意識変革と共創の実現を支援します。

    ・「共創」を実現する業務変革方針の策定: 
    CargoWiseで想定された業界標準の業務と、現行業務との差分を明確化し、業務プロセスのみならず、組織・ルールの見直しも含めた業務変革を推進します。これにより、業界共通の視点に基づいた最適な業務標準を確立します。

    ・変革への意欲を醸成するコミュニケーション: 
    業務の変化に対する現場の不安や抵抗に対し、CargoWise活用の意義や業界全体が繋がることによる価値創出の意図を丁寧に伝え、納得感を醸成します。

    ・現場へのスムーズな定着と運用支援:
    実機を用いた実践的なトレーニングを通じて新業務への理解を深め、スムーズな移行と運用定着までを支援。業界共通基盤としてのCargoWiseが現場の業務に根付くよう伴走します。
     
  2. 複雑なプロジェクトを成功に導く高度なプロジェクトマネジメント
    CargoWiseの導入には、海外を含む多くの拠点や関係者が関わる、複雑なプロジェクトマネジメントが求められます。シグマクシスは、豊富な経験と専門知識を生かした高度なプロジェクトマネジメントにより、円滑な実行を支援します。

    ・最適な導入計画の策定:
    お客様の状況や目的に合わせて、導入スケジュール管理、リスク管理、リソース配分の最適化を支援。実効性の高い導入計画を策定します。

    ・関係者間の連携を強化する円滑なコミュニケーション:
    進捗状況の可視化や共有、課題の早期発見や解決を通じて、関係者間の円滑なコミュニケーションを促進し、プロジェクトの一体感を醸成します。

お客様事例

当領域のプロフェッショナル

渡邊 綾由子

ディレクター

専門商社を経て、2008年6月よりシグマクシスに参画。
運輸、旅行、情報・通信など、多様な業界に対し、主にフロント業務領域における業務改革およびシステム刷新の企画・導入を支援。スクラッチ開発・パッケージ導入・SaaS活用など、プロジェクトの特性に応じた柔軟なアプローチを用いて推進。近年では、パッケージ製品やSaaS製品を活用した業務変革・システム刷新のプロジェクト/プログラムにおいて、企画段階から導入、さらには海外展開に至るまでをプロジェクトリーダー/責任者として牽引。国内外の関係者との連携・マネジメントを通じて、業務の高度化とデジタル変革を実現している。

柴㟢 秀算

プリンシパル

2013年4月、シグマクシスに新卒で入社。
入社以来、フォワーディング業界を中心に、複数の基幹システム再構築プロジェクトに従事。業界特有の業務に対する深い知見を活かし、システム導入における計画立案から実行・管理までを一貫して推進する、プロジェクト/プログラムマネジメントを強みとする。また、システム導入とあわせて求められる業務変革・意識改革に対するチェンジマネジメントにも精通しており、現場レベルから経営層まで幅広いステークホルダーを巻き込んだ変革の実現に貢献。
2021年以降は、CargoWiseの日本導入およびグローバル展開プロジェクトにおいてプロジェクトリーダーを務め、国内外の複数拠点にわたる業務標準化・展開推進をリードしている。

陳 新

マネージャー

2017年4月、シグマクシスに新卒で入社。
入社以来、フォワーディング業界における基幹システム導入およびグローバル展開プロジェクトを複数経験。フォワーディング業界の業務に精通しており、業務変革における実行力・マネジメント力を強みとする。特に、海外ベンダーとの連携・調整を含むベンダーマネジメントに長けており、プロジェクト推進において重要な役割を担う。
2021年以降は、CargoWiseの日本国内導入およびグローバル展開プロジェクトにおいて主要メンバーとして参画。

河本 英樹

アシスタントマネージャー

2021年4月、シグマクシスに新卒で入社。
フォワーディング業界における基幹システム導入およびグローバル展開プロジェクトにおいて、オペレーション領域およびデータ移行領域のメンバーとして参画。これまでに、CargoWiseの日本国内導入およびグローバル展開プロジェクト、ならびに運輸業界におけるSAP S/4 HANA Cloud導入プロジェクトを経験。
CargoWiseおよびSAP S/4 HANA Cloudの知見を有する。