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クラウドを基盤とするグローバル・サプライチェーン

サプライチェーンのグローバル化にともない、企業はグローバル・サプライチェーン構築に取り組んでいます。しかし「最適な物流拠点の配置」や「輸送手段の選択」といった物理的な整備は進む一方、サプライチェーン内での情報共有・伝達のインフラ整備には手つかずの企業が多いのが実態です。

現代のサプライチェーンでは、情報の伝達スピードが鍵となります。古く不正確な情報が流れるサプライチェーンのままでは、リードタイムが短縮できず、販売機会の損失、余剰在庫の増加、ひいては収益性の低下や在庫維持コスト増、キャッシュフローの悪化といった経営課題を引き起こします。

そこでシグマクシスは、グローバル・サプライチェーンのあり方を根本から見直すことを提案しています。

情報をリアルタイム共有するプラットフォームの構築

サプライチェーン上で重視すべきは、製・配・販それぞれのプレイヤーによる情報のリアルタイム共有です。既存のサプライチェーンで行われているような各企業間のリレー型情報伝達ではなく、鮮度と精度の高い情報を一元化できるプラットフォームを構築することで、需給イベントに対する各プレイヤーでのリアクションタイムをゼロに近づけ、サプライチェーン全体のリードタイムを短縮するのです。リアルタイムでの情報共有は、各企業・業務での予測(予定)と実行の差を縮め、MTS(見込み生産)をMTO(受注生産)に限りなく近づけます。その結果、多くのグローバル・サプライチェーン上での問題である“エシェロン在庫”※を削減し、適正な在庫レベルを実現します。

※エシェロン在庫:サプライチェーン上の取引先や物流拠点に存在する在庫

One Network社 RTVNを活用

シグマクシスでは、こうしたグローバル・サプライチェーン構築を、One Network社のReal Time Value Network™(以下、RTVN)の導入により実現することを提案しています。

1.RTVNの概要
RTVNは、クラウド上に構築された業務機能(aPaaS)を複数企業が活用することにより、需要情報のリアルタイム共有とワンデータでの業務を実現します。

特に下記の注目すべき機能を持っています。

  • サプライチェーン上のすべてのプレイヤーとの計画・実績の共有
  • 各種計画(販売計画、生産計画、調達計画、出荷計画等)の立案と同期
  • 中長期プランニングと経営計画との比較、意思決定(S&OP)

2.RTVN導入による効果
RTVNの導入により、下記のような業務改善が期待できます。

  • 市場のリアルな需要変動を、サプライチェーン内のプレイヤー間で瞬時に共有できる
  • 最新で正確な情報に基づいた意思決定を行うことができる
  • 最適な在庫レベルでの業務が可能となる
  • 業務効率の向上により、より戦略的な活動に時間を充てることが可能となる

加えて、クラウド基盤の特性により、下記コストメリットが期待されます。

  • 大規模開発が不要となり、イニシャルコストが抑えられる
  • 莫大な額の運用・保守コストが必要ない
  • 固定資産化されず、費用としてシステム利用料を支払うため、経営効率を高められる

3.RTVNの導入アプローチ
最短6か月という短期間でのグローバル・サプライチェーン構築が可能であることも、クラウド基盤を活用するメリットの一つです。

また、ラピッド・アセスメントとPOC(Proof Of Concept:コンセプト検証)を通じて、本格導入を開始する前に効果を検証することが可能です。

  • ラピッド・アセスメント(1か月)どのような効果が期待できるか、現在のデータに基づき短期で試算し効果を確認する
  • POC(約1~2か月)標準の小さな範囲で環境を構築。実際の運用を想定し業務およびシステム評価を行い、併せて追加要件を洗い出す
  • インプリメンテーション(4~6か月)開発・導入を行う

当領域のプロフェッショナル

鈴木 フィリップ
マネージャー

外資系IT企業勤務、企業経営を経て、現在に至る。国内外の企業のグローバルサプライチェーン可視化・最適化活動を支援。複数のSCMツールを用いたデータを解析、現状分析からあるべき姿への変革ロードマップ策定、需要および在庫の可視化、需給バランス調整、拠点の再配置、シナリオベースのコストシミュレーションなどを専門領域とする。