BCP対策の鍵となる、業務文書の電子化

企業のデジタル・トランスフォーメーションにおいて既存業務の電子化が大きなテーマになる中、国内では電子帳簿保存法の改正が行われるなど、業務文書電子化の環境整備が進められています。

 

また、自然災害や疫病対策への対応をふまえたBCP対策が急務となる中、業務文書電子化の必要性はますます高まっています。特に経費精算業務は、あらゆる企業において全社員が関係する業務であり、紙の領収書の処理は電子化における大きなハードルとなっています。 

紙の領収書を電子化するAI-OCRスマホアプリ

シグマクシスは、深層学習をはじめとしたAI活用の高い技術を持つギリア株式会社とともに、領収書読み取りAI-OCRスマホアプリを共同開発しました。

 

本アプリは、紙の領収書をスマートフォンのカメラで読み取ることで、経費精算データの作成や経費精算システムへの伝送を、すべてスマートフォン上で実現できます。また電子帳簿保存法で要求されるスキャナ保存要件を満たしているため、電子帳簿保存法に対応したSaaS型の経費精算システムとAPI連携することで、読み込んだデータを電子証憑として利用・保存することが可能となります。これにより、経費精算の際のシステムへのデータ入力や、紙の領収書を台紙に貼る作業、経理部門に提出するための移動、紙での業務文書管理などが不要となります。

 

本領収書読み取りアプリは、2018年にシグマクシスとギリアが共同開発・実用化した、自動文字入力プラットフォームサービス「ディープシグマDPA」の技術を土台に、最新のAIモデルを取り入れたことにより、非常に高い精度とスピードを実現しました。またGoogle Cloud Platformが提供する技術を活用することで、深層学習系アプリとしては低コストながら柔軟性の高いサービスとして実用化いたしました。

領収書読み取りAI-OCRスマホアプリの特徴

高精度かつ高速の読み取り技術

自動文字入力プラットフォームサービス「ディープシグマDPA」を土台に、最新のAIモデルを取り込むことで、読み取り精度は90%以上を確保しています。また、読み取り速度は数秒程度と非常に高速です。

豊富な読み取りメニュー

任意の領収書読み取りの他、タクシー料金や駐車場料金といった用途別の領収書の読み取りメニューを備えており、最短3タップで経費精算データの作成が可能です。
また、一般的な読み取りアプリが対象とする「日付」「場所」「金額」以外の項目を読み取ることが可能なため、クレジットカードの明細など領収書以外にも広く活用が可能です。

SaaS型経費精算システムとのAPI連携

SaaS型の経費精算システムとAPI連携することで、読み取ったデータを経費精算データとして活用することが可能です。既に選定済み/導入済みの経費精算システムとの組み合わせにも、新規経費精算システムとの同時導入にも対応いたします。

電子帳簿保存法への対応

電子帳簿保存法で要求されるスキャナ保存要件を満たしています。このため、電子帳簿保存法に対応した経費精算システムとAPI連携することで、証憑も電子化し、紙の領収書の保存は不要となります。

低コスト、スケーラブル、高い柔軟性

Google Cloud Platformが提供する、サーバーレス・アーキテクチャー「AI Platform」の活用により、深層学習系アプリとしては低コストかつ、いかなる導入ユーザー数にも柔軟に導入が可能です。また、Googleが開発した、アプリ開発フレームワーク「Flutter」の活用により、iPhoneとAndroidへの同時リリースが可能であるため、環境変化に応じた柔軟でスピーディーなアプリの更新を実現します。

導入事例

シグマクシスでは2020年2月に領収書読み取りAI-OCRアプリを全社導入すると同時に、電子帳簿保存法に対応したクラウドソリューションの「Concur Expense」とAPI連携させることで、経費精算業務の完全電子化を実現しました。

 

これにより、社員の手作業による領収書データ入力や紙媒体の証憑整理の作業、証憑提出のための移動などが不要となったことから、当該業務に費やす時間は、社員一人あたり28%(月平均15.4分)が削減されました。

当領域のプロフェッショナル

溝畑 彰洋

常務執行役員

外資系IT会社を経て2012年よりシグマクシスに参画。アナリティクス領域での経験は長く、デジタルマーケティング、予測モデルの構築などの旧来の機械学習活用領域だけでなく、Deep Learningを活用した画像・音声認識、これらの先端技術を活用した業務改善、新規サービスの開発を多数手がけている。近年はデジタル・トランスフォーメーション推進に伴う組織設計、人財育成、全社展開まで支援範囲を広げている。

新井 克人

ディレクター

外資系IT会社にてフルスタックのサポートエンジニアとして活躍した後、2016年よりシグマクシスに参画。エンジニアとしての経験を活かした、IoT, AI等の新規技術エリアのプロトタイプ・デモ作成を得意とし、特化型AI(Watson/Google/Microsoft/東芝/ドコモ等)ではPoC実施まで支援を行う。保険業・製造業のお客様に対して、DataRobotを活用した、データ分析のコンサルティング活動にも従事。ビッグデータから新たなマーケティング施策の策定や、製造工程改善施策の提案を実施。

福田 瑞穂

マネージャー

国内SIer、証券パッケージ事業会社、外資系コンサルティングファームを経て、2008年10月にシグマクシスに参画。証券系システムの要件定義から実装、運用の経験による豊富なノウハウを持ち、システム企画及び設計、開発を得意とする。DataRobotを活用したデータ分析のコンサルティング活動にも従事する。