株式会社商船三井 様
商船三井ドライバルク株式会社 様
株式会社商船三井様(以下、商船三井様)はグループ経営計画「Blue Action 2035」に即した「DXビジョン」とその実現に向けた「DX Action 1.0」を2023年に策定されました。 その中核となるアクションの一つとして、標準化を徹底し、業務・組織の最適化および自動化を進め、ビジネスや価値創造への寄与時間創出を目指す業務プロセス変革が掲げられています。
そこで商船三井様は、ドライバルク輸送事業を手掛ける商船三井ドライバルク株式会社様の東京本社における組織の最適化の一環として、フィリピンのマニラにある拠点に運航業務を移管させるプロジェクトに取り組まれました。さらに、移管先のマニラにて業務上の課題発見や最適化のサイクルを継続的に回せるよう、業務プロセスおよびタスクを可視化し、改善の基盤を整えること(ビジネス・プロセス・マネジメント、以下BPM)もプロジェクトの命題となっていました。
シグマクシスは同プロジェクトにおいて、プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)として方針策定・計画作成からステークホルダーとの合意形成、作業推進に至るまで包括的に価値創出をご支援しました。
BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)手法に基づく業務プロセスの標準化・可視化
同プロジェクトでは業務を標準化・可視化する手法として、業務プロセスモデリングの国際標準として確立されたBPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)を採用。東京とマニラの現状業務(As-Is)を詳細に調査して拠点間の差分を分析し、最適なものに合わせていく「Fit to Standard」のアプローチを徹底しました。業務の切り分けやルールを明確化しながら移管後の業務プロセス(To-Be)を共通言語として分かりやすく可視化し、関係者の意識を統一しました。
SaaS型BPMソリューションの活用
さらに、移管後の業務プロセスを可視化しデジタルで共有することを目的として、SaaS型の業務プロセス管理ツールである「SAP Signavio」を導入。詳細な標準作業手順書(SOP)もSignavio上で作成、共有しました。業務プロセスやSOPをデジタルで一元管理することで、標準マニュアルの共有や修正・更新が容易となり、継続的に改善可能な基盤を整備しました。また、Signavioの運用ガイドラインを策定することで、全社的な業務プロセス管理のガバナンス向上も図りました。
海外拠点への業務移管にむけた標準作業手順書(SOP)の作成
業務移管に必要な人員・工数の見積もりや効率的な移管方法などが重要な論点となりました。そこで同プロジェクトでは「新人オペレーターが独力でも使えるレベル」を基準として、500以上のタスクレベルまで作業手順を分解した標準作業手順書(SOP)を作成することを決定。現地セッションなど、海外拠点との緊密なコミュニケーションを通じて英文マニュアルを作成。最終的に実航海トライアルを踏まえて、現場で使える品質を担保しました。それまで可視化されたマニュアルが存在しなかったマニラにおいて、SOPの活用によりトレーナーの負荷軽減と同時にオペレーターの育成品質や新人の定着率も向上し、業務移管も加速しました。
SOP作成の成果として新人教育における負荷削減を実現
こうした取り組みの結果、商船三井様は2025年8月、約10ヶ月という短期間で運航関連業務全般の移管設計とマニュアル整備を完遂し、マニラ拠点への業務移管が順次進められています。上述のSOP作成により、業務プロセスや手順が体系的に整理・可視化され、新人教育におけるトレーナーの負担軽減が実現しました。また、トレーニーがマニュアルや標準化されたプロセスを活用し、自主的に学習・理解を深められる環境が整備されたことで、教育の質および教育スピードの向上が期待されます。さらに、今回確立されたプロセス標準化・可視化のノウハウや、SAP Signavioの実践的な活用モデルは、同社グループ内のプロジェクトで横展開され、変革基盤の構築が加速しています。
また、同プロジェクトでの業務可視化およびSOP策定の取り組みは、ビジネスアナリティクスの専門組織であるIIBA(International Institute of Business Analyst)日本支部主催のビジネスアナリシス賞(注1)2025において奨励賞を受賞しました。プロジェクトに貢献したシグマクシスのコンサルタントも、受賞メンバーとして選出されています。
シグマクシスは引き続き、商船三井様の継続的な業務プロセス変革に、シェルパとして伴走してまいります。
(注1)ビジネスアナリシスの専門知識とスキルを活用し、組織に貢献した優れた取り組みを称える賞
参考リンク
一般社団法人IIBA日本支部ウェブサイト:2025年度ビジネスアナリシス賞(BA賞)受賞者の発表について