三井住友信託銀行株式会社 様
金融業界では、世界中の金融機関を結ぶ決済ネットワーク「Swift(国際銀行間通信協会)」の制度変更により、外国送金のための電文フォーマットを2025年11月までに国際標準規格(ISO20022書式)に切り替えることが求められていました。期限を過ぎると外国送金業務が行えなくなるため、この対応は金融機関にとって事業継続に関わる必達の課題でした。一方で、外国送金に関連する複数のシステムにおいて新フォーマット対応のための改修が必要となり、開発工数の肥大化も大きな課題となっていました。
三井住友信託銀行様は、こうした課題への取り組みを単なる規制対応ではなく変革の好機ととらえ、中長期的な業務効率化と全体最適を目指した大規模なシステム刷新を決断されました。まず規制対応に関連するシステム全体のアーキテクチャを見直す構想策定(グランドデザイン)を行い、各システムに分散していた電文関連の機能を中継システムに集約するとともに、各システムの役割や機能を整理、再配置しました。さらに中継システムと各システムとの間に統一フォーマットを導入することでデータの標準化や一元管理も可能となりました。これにより、今後の制度変更へのスムーズな対応や保守コストの低減、開発の標準化や効率化などが見込まれます。
シグマクシスは、金融業界の業務知識とプロジェクト推進力を発揮し、本取り組みの構想策定から移行完了まで一貫して支援しました。具体的には、全体および個別案件のPMOとしてシステム共通の開発方針を定義するとともに、10以上におよぶサブプロジェクトがこの方針を遵守して開発・設計を進められるよう、統括管理。複雑なマルチベンダー環境下で関係者の合意形成などの調整を行いながら、新業務ルールの定着(チェンジマネジメント)まで伴走しました。
また、テストフェーズにおいては、複数システムのテスト工程や時期が重複する状況下で、案件横断で計画、実行を推進しました。また、エンドユーザーや複数ベンダー間の調整を行い、発生する課題を解決するなど、テスト品質の均一化および向上に貢献しました。移行フェーズでは、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定、問題発生時の経営層への伝達手段を含めた万全な移行体制を構築して安全な本番切り替えを支援しました。
本取り組みの結果、三井住友信託銀行様は制度上の期限である2025年11月までに、予定通り国際標準対応を完了させ、大規模なシステム移行を成功裏に完遂されました。同行は今後、全体最適を実現した新システムを生かしたさらなる業務効率化や、年次のSwiftルール改定に対応するための開発負荷削減を目指されています。シグマクシスは引き続き、同行のさらなる変革をシェルパとして支援してまいります。