株式会社佐電工 様
九州を拠点に総合設備工事事業を展開する株式会社佐電工様(以下、佐電工様)は、業界を取り巻く環境変化に対応するとともに、地域のリーディングカンパニーとなることを目指し、デジタル化による全社業務・システム改革に取り組まれました。
建設業界では、建設業法に基づく厳格な契約・発注手続きや書類の管理などの業務が煩雑です。現場担当者は日中の現場作業を優先しながら、予算作成や発注管理などの業務を担い、高い業務負荷が課題となっています。さらに建設業界では人材の不足が加速すると見込まれており、生産性の向上や効率化が急務となっています。同様の課題を抱える佐電工様は、その解決をめざし基幹系システムの刷新を検討されていました。ご相談を受けたシグマクシスは規程やルール、ガバナンスの仕組みなど潜在的な改善ポイントも含めた全社的な業務改革をご提案し、プロジェクト立ち上げから新業務・システムの稼働まで、44カ月にわたりご支援しました。
■「あるべき姿の策定と業務改革」と「規定・ルールの見直し」
全社業務改革にあたっては、経営層、現場責任者および現場担当者が課題に対する共通理解を持つことが重要です。シグマクシスは、経営層と業務現場が一体となって目標・ビジョンを討議し全社へ浸透させていくアプローチでプロジェクトを推進しました。
具体的には、まず経営層を中心に将来的に目指す「あるべき姿」を議論して業務改革の目的を定め、その後9部門から業務担当者が参加するワークショップで現場の課題をヒアリングしました。ワークショップでは、「ペーパーモデル※」手法で課題の洗い出しと対応案の討議を行い、全社としての目標・ビジョンを策定。経営層と現場の共通理解の土台を、プロジェクト開始から約4カ月間で形成しました。
その後、「あるべき姿」と、その実現ロードマップを描き、対応の方向性ごとに施策を詳細化。業務の根本的な改革に向けた業務規程やルールの見直しも行いました。
※ペーパーモデル:壁に模造紙を貼り、業務担当者と一緒に、業務マニュアルや実際の書類をもとに、業務の流れや書類・課題を書いていくワークショップを通して、業務内容や課題を抽出する手法です。
■「システムの高度化」と「ガバナンスの仕組みの進化」
「あるべき姿」の実現に向けての施策として、業務負荷軽減を目指した業務の標準化、自動化、それを実現するシステム刷新に取り組みました。シグマクスは、各業務領域の現場担当者との議論を重ねながらシステムの選定から導入までを支援。システム選定にあたっては、各部門で疎結合であったシステム配置を見直し、システム間連携を強化しました。営業システム、設計概算システム、支払経費、基幹システムと領域ごとにシステム導入を段階的に行い、2025年1月に全てのシステムが稼働を開始。システム間連携による入力業務の効率化、承認業務のデジタル化による承認リードタイムの短縮、ガバナンスの強化などを実現しました。
■「プロジェクト&プログラム・マネジメント」と「チェンジマネジメント」
プロジェクト&プログラム・マネジメントにおいては、シグマクシスの豊富な実績に基づいたプロジェクト管理手法により改革スピードと品質の両面で貢献しました。さらには業務現場に入り込む形で各種施策の実行を支援し、その品質を担保。改革後の業務・システムのガイダンスやトレーニングを通じて業務現場の意識変革も図るなど、佐電工様とシグマクシスのメンバーがワンチームとなってチェンジマネジメントにも取り組みました。
その後は徐々にプロジェクトマネジメントの役割を引き継ぎ、2025年6月からは佐電工様ご自身による継続的な業務改革を開始。現在は、業務・システムの調整による更なる業務効率化や、社内の情報連携の自動化や情報活用の見直しによる新たな経営管理の実現に取り組まれています。
シグマクシスは、今後もシェルパとして佐電工様の挑戦を支援してまいります。