INTERVIEW
01

早稲田祭で
600名を動かす大役に

早稲田大学時代に没頭したのは、早稲田祭。参加団体400以上、2日間の来場者数18万人という、日本では最大規模と言われる学園祭の企画・運営だ。1年生では、開発局の一人として学園祭の課題解決に取り組み、2年生ではアカデミックな側面を早稲田らしく発信するべく「学園祭で学問を使う」をテーマに研究室とタイアップ。学内誘導を円滑にする動線設計や教員志望学生とコラボした受験生向け企画に試行錯誤した。そして3年生では副代表として8部門600名をとりまとめながら、早稲田祭のビジョン策定や体制づくり、意思決定システムの設計を担当した。

「2年生までは、先輩たちからのダメ出しを山のようにもらい、議論の毎日でした。3年生になると今度は、後輩からの突き上げが激しくて油断がならない。3年間を通じて、論理的な説明をする意識が強くなっていったと思います。何が原動力かって、普段は別々の活動をしている学生がこの2日間のために次第にまとまって行き、最後にはものすごい熱量になる。それを皆で共有できる感覚ですかね。」と、語る。視座とスキルを高めながらエネルギッシュに走り切った経験は、物事に取り組むうえでの基本姿勢の一端となった。

INTERVIEW
02

入社前は、
奇天烈で新鮮で自由なイメージ

コンサルティング業界を就職先として意識し始めたのは中学2年生のとき。「漠然とですが、様々な業界、経営者と関われるというイメージで中小企業診断士になりたいと思っていました。大学1年の時ドリームインキュベータ社の堀紘一氏の講義でコンサルタントの視点を知り、この業界を進路として明確に設定しました」。想いはかわらぬまま、数社のインターンシップ・プログラムへの参加という形で就職活動をスタート。シグマクシスもその1社だった。「ひとくくりにコンサルティングと言っても、社風はさまざまでした。シグマクシスについては、当初は『オフィスがきれいだな』くらいにしか思っていませんでしたが、選考過程やイベントへの参加を通じて『奇天烈で新鮮』『自由』『のびのびと働く』『とことん納得するまで思考し続ける』といったキーワードを持ち帰ったことを覚えています」。

最後のひと押しは、ある本との出会い。「今の私の大ボス、柴沼俊一さんの著書『アグリゲーター』です。実は最終面接を前にキャリア像を固めたくて、気になるキーワードでググっていたら、ヒットしたんです。読んでみて『これだ!』と共感しました。ネゴシエーションよりコラボレーション、個人と組織の新しい関係、働き方の選択肢、多様性を生かしたチームワーク、想いを共有する組織を超えたプロフェッショナルとの協働。読めば読むほどワクワクして、オファーを受ける前からシグマクシスに行くと決めました」。

INTERVIEW
03

入社したら、動物園でした

実際に入社してみると、その空気は想像以上のものだった。「動物園に来たのかと思いました」と振り返るのは、まず新卒研修。入社後2日目から始まる合宿では、知れば知るほど色濃くなっていく同期たちの多様なキャラクター、バックグラウンドに驚いた。「それぞれ得意技を持っていて、自分にはない経験や考え方に溢れていました」。そして現場に出てからは、先輩たちとの濃厚な日々が待っていた。「専門領域、マネジメントスタイル、視点、発想、もうとにかく様々。共通しているのは、自由、自律。そして『やる』と決めたことには何であろうとガチで突き進むこと」。

今でも強烈に覚えているのは、全社員が集まるクリスマスパーティーでの仮装大会。10チームが優勝を争うコンテスト形式の大会に宮田も先輩たちとともに出場したが、チームは「出るなら優勝」とプロジェクトワーク並みの体制・プランで取り組んだ。「トップコンサルタントたちが、自分たちの『笑い』にこだわり、微に入り細に入りアイデアを出し、議論し、練習に励む姿は衝撃でした。たとえ『おふざけ』であっても、やるなら本気。最終的に優勝を勝ち取ったことも含め、この会社の風土を目の当たりにしました」。

INTERVIEW
04

「天才宮田」ボールペンは
お客様からの信頼の証

プロジェクトワークでも、数々の刺激的な出会いがあった。新卒研修修了後の2年半で、エネルギー業や官公庁のお客様向け戦略策定、保険業界のお客様の顧客マーケティングプラン、製造業や運輸業のお客様向け新規事業開発など、経験した業界・テーマともに多岐にわたる。「なかでもある大手企業様向けに行った組織変革プロジェクトは印象に残っています。まず相対するのが、役員クラスのお客様。シグマクシスのプロジェクトメンバーも社長・副社長をはじめシニアクラスが多い異色のチーム体制でした。経験がモノをいうことの多い組織論の分野で若手がどう価値を出すか悩みましたが、背伸びして評論家になるのではなく、『どういう環境であれば若手は自律的に働けるか』など、自分ならではの示唆を伝えるよう意識しました。次第にお客様からの信頼も増し、チームの一体感も醸成されたと思います。プロジェクト現場で立場は関係ないと実感した案件でした」。

そして冒頭にふれたアワード受賞のきっかけともなった、保険業界のお客様へ向けたプロジェクト。お客様が持つ大量の顧客データを分析し、より良い顧客体験を実現するマーケティングプランを提案するという役割を担った。「新卒研修で基礎知識はつけていたものの、莫大かつ緻密なデータ分析は自分にとって新たな領域。社内のスペシャリストの見様見真似でやっていくうちに、気付いたらPythonやSQLなどのプログラミング言語やDatarobotなどの最新ツールも使いこなせるようになっていました」。徹底したことは、提案や報告の際には必ず、なぜその結果になるのか理由や裏付けまで説明すること。矛盾や間違いがあった場合は逃げずに事実をお客様に伝え、何が起きているか、次に何をすべきかをきちんと説明する。コンサルタントにとって当然の姿勢だが、その積み重ねが、お客様との信頼関係を築いた。「プロジェクトを卒業するときには『天才宮田』とデザインされたボールペンを頂きました。新人なのに盛大な送別会まで開いていただき、嬉しかったです。一生懸命やってて良かったなと感じた瞬間でした」。

INTERVIEW
05

社会を動かす
一大プロジェクトのリーダーに

お客様向けプロジェクトとは別に、注力していることもある。2017年に社内で立ち上がった、「食・料理×サイエンス&テクノロジー」をテーマにした新しい産業創造の取り組みだ。「あるディレクターからの『日本のキッチンの未来を創ろう』との呼びかけに、社内から有志が集まったのですが、私も気づいたらその渦中にいました(笑)」。まずは、2015年に米国で始まったSmart Kitchen Summit(以下、SKS)を日本で初開催することになり、宮田はプログラムの目玉の一つであるベンチャー企業セッションの担当に。コンサルティングとは異なる取り組みに戸惑いはありながら、登壇者候補との面談、選出、ピッチのレビュー、全体ストーリーの設計をどうにか進めた。

「正直なところ、1回目のイベントは任された役割を務めただけでした」と話す宮田だが、その後、スマートキッチン関連のコミュニティ活動を続け、スタートアップやアカデミア、社外の多様な立場の方々と交流。さらには大企業向けのコンサルティングプロジェクトにも関わったことから、2018年の開催時には自分の中で企画したいことが明確になっていた。「大企業、ベンチャー企業それぞれの実情に深く触れた経験から、彼らの強みを組み合わせることを考えていました。今はまだうまく歯車が回っていない感覚で、アイデア次第で世の中を変えられると確信を持ちました」。こうして2018年は自ら大企業との協業促進を狙ったベンチャー企業セッションを企画・設計。「これこそ自分達のやるべきことだという、自覚がありました。大企業でもベンチャー企業でもないが、どちらにも近い存在だからこそ、できることがある」と、その想いを語る。

そして3回目の開催となる2019年のSKS Japanでは、全体のリーダーを任された。1年目こそ上司に必死についていった宮田が、今では「新しい産業・サービスが生み出ることに貢献したい。カンファレンスといった枠を超え、参加者全員が市場の創り手になれるような場にしていく」と自らの意気込みを語る。

INTERVIEW
06

自らの判断基準と意思で
答えを創る

SKS Japanを機に、自分は何をやりたいのか、明確になっていった宮田。その一つとして新しいワークスタイルと人財像も描いており「今後は、組織と個人の新しい関係性を実践してみたい」と話す。それは組織と個人が緩やかな関係を保ちつつ、個人がより強みを発揮して柔軟に働く、コミュニティ型の組織像だ。「これまでの取り組みを通じて、物事に変化をもたらすのは、どれだけブランドのある会社でも、最終的には一人ひとりのアクションだと気が付きました。一方で、個人でできることにはやはり限りがある。組織が持つアセットやノウハウを共有・活用しながら、個人も自らの能力とネットワークを提供し、拡げ、フレキシブルに組み合わさりながら価値を生み出していく。世の中が前進するためにはそんな働き方が必要なのではないかと思うのです」。

だからこそ、今意識しているのは何事においても「意思を持って動く」こと。「ある先輩から『仕事は、お客様だけではなく、社会や自分がどう変わるべきかを考えて取り組め』と言われたことがあります。世の中の先を読み、自分なりの答えを出してから動かなければ、息詰まった時にその先に行けない。その通りだなと思いました」。以来、自らの判断基準と意思を持ち、答えを創り、それに基づいて自律的に行動することを徹底している。それが宮田にとっての「プロフェッショナル」なのだ。

INTERVIEW
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学生の皆さんへのメッセージ

就職活動でも、仕事のうえでも「当たり前」と思っていることを、一度嘘だと疑ってみることが大事だと思います。「世の中の多くがそう思っている」「決まっているから」「著名な人が言うことは正しいはず」「変わったことをすると面倒くさいと思われそう」といった常識にとらわれた考えを一度スパっと消してみて、自分が何をしたいのか、何をするべきかだけを考えてみてください。そこに自分の経験を足して判断していけば、どんな結果になっても後悔はないはずです。進路を決めるときは、どうしても決まった正解があると思い込みがちですが、自分の人生の正解は、自ら創るものです。

Profile

宮田 湧太
ヒューリスティックシェルパ 
アシスタント・マネージャー

早稲田大学商学部卒業。計量経済学を専攻し、理論実証研究に取り組んだ。2016年にシグマクシス入社後は、ヒューリスティックシェルパに所属。エネルギー業、保険業、航空・運輸業、製造業、官公庁など多岐にわたる業界に向けた、戦略策定、新規事業開発、組織改革、フードテックなどをテーマとしたコンサルティング経験を積む。「アグリゲーション」「大企業×ベンチャー企業」を個人のテーマとし、スマートキッチン・サミット・ジャパンなどで同テーマのプログラムを企画・担当している。趣味は日本酒、糠漬けづくり。現在利き酒師の取得を目指し勉強中。

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